禁油とは、一般的に製造工程で油分を除去した状態を表します。
校正における禁油は、この状態をキープするため油分が混じらないような方法で行うということを意味しています。
しかし、上記のような禁油についてのルールは正式な規格文書などが無いため、残留している油分について細かい取り決めはありません。
分野は圧力計に限らず、各企業が独自にルールを決めて○○ppm未満などの基準を定めています。しっかりした企業では段階的に基準を定めている場合もあります。
圧力計の校正を行う際に、禁油状態を保つには複数の方法があります。
まず、空気や窒素のなどの油分を含まない気体を使う方法です。この方法では、ほぼ確実に禁油状態を保つことが可能です。
2つ目にタンクサイホンを使用して行う方法です。こちらは重錘型圧力計という油圧を利用した圧力基準器にセットし、油圧を水圧に変換して作業を行います。
一般的な方法ですが、タンクサイホン内部では微量ですが油と水が混じり合うため禁油の度合としては弱いと言えます。歴史的に長く使われている方法で、油を使用した際の残油感がないので校正後に圧力導入口から油が垂れることを嫌われるお客様などからの要求があります。
3つ目に油を含まない油以外の液体で校正する方法があります。純水やアルコールやフッ素系の溶媒などが用いられます。純水以外は禁油禁水といった要求の場合にも適用できます。
2つ目と3つ目の差は、お客様の要求される禁油の程度がどのくらいのものかによって選択が分かれます。金額も難易度が高いものほど多くかかることが一般的です。
校正の禁油をご依頼の場合は、どの程度を求めるか確認されるとよいかもしれません。