微差圧計・微差圧スイッチの多くは、空調換気設備に関わるところで使用されています。
今回は、微差圧計・微差圧スイッチの用途について、まとめます。
代表的な用途は、主に3つあります。
①静圧の計測
②圧力損失の計測
③風速・風量の計測
具体的には
①静圧の計測
微差圧計は名前の通り、微量な「差圧」を計測する製品ですが、高圧側(H側)を
配管に接続し低圧側(L側)を配管せずに大気解放する事でゲージ圧を計測する
圧力計の様な使い方ができます。
(ゲージ圧は大気を0とした時の圧力。大気解放することで、配管内と大気との
差圧を計測することになるので結果的にゲージ圧と同じになる。)
通常の微圧計の測定範囲下限が1kPa(1000Pa)程度であるのに対して微差圧計では
50Pa~1000Paの範囲を測定する事ができます。
微差圧計は微圧計よりも更に小さなゲージ圧を測定するための選択肢としても
お使いいただけます。
例えば、クリーンルームでの利用などが考えられます。
クリーンルームでは浮遊微粒子や生物が入り込みにくいように室内の気圧が
高められていますが、その圧力非常に小さく通常の圧力計では測定困難です。
微差圧計のH側からチューブを使ってクリーンルームへ配管しL側を室外へ
配管するとクリーンルームと室外(大気圧)の差圧を計測することができます。
圧力の調整をするために、警報などを出したい場合は途中で分岐させて
微差圧スイッチを設置することもできます。
微差圧計でモニターしスイッチで制御します。
②圧力損失の計測
上記と異なって、実際に差圧を計測する使い方になります。
例ではフィルターの目づまり監視があります。フィルターを通過する前(一次側)へ
H側に、通過後(二次側)をL側に接続します。フィルターの目に詰まりが全くない
場合、差圧はゼロとなります。運用していく中で徐々にフィルターに埃が
ついていき、やがて徐々に差圧が発生します。差圧が○Paになったらフィルターを
交換・洗浄するなどの管理が考えられます。
③風速・風量の計測
ピトー管やオリフィスを利用すると、差圧から数式を使って風速や風量を
求めることができます。
当店で在庫している長野計器の微差圧計・微差圧スイッチ
微差圧計
DG70、DG85、DG87
微差圧スイッチ
CL13、CL14
微差圧トランスミッタ
KL14
デジタル微差圧計
GC30、GC62