機械式の圧力計は、どれも同じような形をしており何を選んでも大差ないと
思われる方もいると思います。
しかし、圧力計の選定は意外に複雑で誤った圧力計を選ぶと、取付が困難で
あったり、寿命が短くなったりします。最悪の場合は事故に繋がる事さえあります。
正しい圧力計の選定方法を知り、お客様の現場により相応しい圧力計を設置して下さい。
選定項目
圧力計を選定する為には次のような条件を確認する必要があります。
・圧力レンジ
・ネジ ←今回の内容
・形状
・大きさ
・接液部(接ガス部)材質
今回はネジ編です。
--------------
ネジについて
--------------
圧力計のネジの種類は色々ありますが、
特定するには、ネジの「種類」と「サイズ」を確認することが重要です。
ネジの種類が異なれば接続部に負荷が掛かって危険ですし、サイズが違えば
そもそも接続ができないからです。
実際にはネジの種類を表す場合、次のような表記がされます。
「G3/8B」、「Rc1/2」
例えば「G3/8B」であれば「G」はネジの種類、「3/8」はネジのサイズ、
「B」はネジの精度をそれぞれ示しています。
圧力計のネジの中でも最も基本的な「2種類」と「4サイズ」をご紹介します。
種類:圧力計の場合、ほとんどが雄ネジとなりますが稀に雌ネジの圧力計も
あります。
(後述しますがJIS表記であれば雄ネジと雌ネジを見分けることができます。)
G:ストレートネジ、平行ネジ、PF。
圧力計と相手側の間にパッキンを挟み込んでシールします。先端には圧力計
特有の突起があり、突起をくぐらせるようにパッキンを挟みます。
R:テーパーネジ、PT
圧力計にシールテープを巻き付けて、相手側へねじ込みながらシールします。
サイズ:インチを基準とした呼称です。
注「1/4」は1/4インチに由来していますが実際に1/4インチ(6.35mm)の長さではありません。
1/8 (1分、6Aとも言われます)
1/4 (2分、8Aとも言われます)
3/8 (3分、10Aとも言われます)
1/2 (4分、15Aとも言われます)
先にも述べましたがネジを表記する場合は
「種類」と「サイズ」をあわせて「G1/4」、「R3/8」などとなります。
次に雄ネジと雌ネジの見分け方です。
ストレートの1/4はG1/4。テーパーの3/8はR3/8ですが、
カタログを見ると次の様な表記があります。
G1/4B、G1/4、R3/8、Rc3/8
この場合
G1/4Bは雄ネジ、G1/4は雌ネジ、R3/8は雄ネジ、Rc3/8は雌ネジです。
ストレートネジの後ろの「B」は雄ネジの精度を表しますので
表記が無い場合は消去法で雌ネジと考えられます。
(実際は雄ネジでも「B」を付けずに書くこともあるので注意!!)
テーパーネジは単純で「R」が雄ネジ、「Rc」が雌ネジを示します。
雄ネジと雌ネジはこのように見分けることができますが、
活用できるのはカタログなどの正式な資料が中心で
現場では幅広い表現でネジを呼んでいますのでその点はご注意願います。
圧力計を接続する際には、相手方のネジのサイズと種類に合わせて選定する
ことが大切です。
1/2には1/2、3/8には3/8、ストレートにはストレート、テーパーにはテーパーです。
注意として、ネジの径が同じで種類が異なるという場合があります。
ネジのサイズが違う場合はそもそも接続できないので分かりやすいのですが、
同径異種のネジの場合、接続しようと思えば一応接続ができてしまいます。
下記の図は圧力計を取り付けたイメージですが、一番右の図は相手側の雌ネジが
テーパーなのにストレートネジの圧力計を接続しています。
ストレートネジにシールテープを巻いてテーパーネジの配管に直接接続している
ケースは実際にも多くありますが、ネジの角度が違うため正しい接続に比べると
危険性が増してしまいます。
もちろんメーカーはダメだとしていますし、当店としても推奨できません。
----------------------------------------
ネジを接続した場合のイメージ
----------------------------------------
◎ネジの判別方法
参考として「配管の内径からネジを判別する方法」と、「圧力計のネジを見分ける
方法」の2つをご紹介させていただきます。
また、ネジ径の目安として下の表をご参考にしてください。
①「配管の内径からネジの種類を判別する方法」
写真ように配管の内径をノギスで測ります。
配管直結の場合はほとんどが、テーパーネジだと考えられます。
ストレートネジの場合は、圧力計を受ける底面と先端の突起を受けられるように
丸い切り抜きがあります。
②「圧力計のネジを見分ける方法」
まず、圧力計の場合はネジ径を測る前にストレートかテーパーを見分けます。
ストレートの場合はネジが平行なことの他に最下部の圧力導入口辺りに突起が
あります。
テーパーは突起が無く、ネジが上部から下部に細くなっていきます。比較すれば一目瞭然です。
オネジ (外径) | メネジ (内径) | 単位 (mm) | ||
G1/4B | 13.1 | G1/4 | 11.6 | ストレートネジ |
G3/8B | 16.6 | G3/8 | 15.2 | |
G1/2B | 20.7 | G1/2 | 19.0 | |
R1/4 | 13.5 | Rc1/4 | 11.1 | テーパーネジ |
R3/8 | 17.0 | Rc3/8 | 14.7 | |
R1/2 | 21.4 | Rc1/2 | 18.5 |
※上記の寸法は、実際の現物を測定した目安となります。
オネジは根本部分、メネジは入口部分を計測しました。