ここで圧力計を始めとした計測機器のトレーサビリティについて考えたいと思います。
肉牛の場合は個体識別番号を通じて生産地や生産者に対して追跡可能であるのに対して、計測機器の場合はトレーサビリティの担い手となるものは何でどこへ追跡可能であるのでしょうか?
その答えは、担い手が校正作業であり、校正証明書です。
そして校正証明書を通じて「国家標準」や「国際標準」へ追跡可能ということになります。
(国家標準は国際標準と繋がっています。)
すなわち、計測機器では校正され証明書が発行されていることでトレーサビリティが確保されていることとなります。
次に、計測機器にトレーサビリティが要求される場面を考えてみます。
弊社のお客様は以下のような理由でご注文されている方が多いようです。
・社内規定で定めている場合
・お客様からの要求がある場合
・ISO 9001などの規格や法令の要求がある場合
また社内規定やお客様からの要求の場合も、元は規格や法令であることも多く、そこから生まれた需要とも推測できます。
ISO 9001などでは、「トレーサビリティの確保された基準器」と比較した計測機器を用いるように要求している場合が多いようです。
弊社の発行する4点セットは圧力計が「国家にトレーサブルな基準器」と比較されたことを示した書類です。
トレーサビリティを確保する方法は、JCSS校正が有名です。国家が認定した校正機関でのみ行うことができます。
作業工程と複雑な計算が必要なため料金も高くなりがちですが基準器(標準器)はこちらが主流です。
通常の要求事項では、トレーサビリティの確保が必要なのは校正業務で使用するような基準器(標準器)までですが、厳格な要求事項ではお客様が使用される機器までトレーサビリティが求められることもあります。
(自動車関連の規格「ISO/TS 16949」やガス関係の法律「高圧ガス保安法」などがそうです。)
また時代の流れで、その他の分野においても現場計器へトレーサビリティの確保=(JCSS校正)が必要になることを感じ、センサスヤマモトにおいても2014年に圧力計の登録事業者として認定を受けJCSS校正に対応できるようになりました。
JCSSは圧力計の場合、基準器・試験器などの高精度な圧力計を対象としているという歴史があるため、現場用の圧力計のみ対象とした業者は珍しいと思います。
しかしながら、圧力のJCSS校正事業者として技術を担保していくこと、技術を公的に認められていることは、一般校正業務においてもお客様へ品質の高いサービスを提供できることにつながっていくと考えます。
こちらは校正サービスのページです。